「達成率は高いのに利益が出ない」を断つ|多業態7事業を職種別KPIで可視化し離職率31%→18%(N&Kグループ様)

ボウリング・カラオケ・アミューズメント・飲食・IT/ECの関連4社7事業を運営するN&Kグループ様(グループ全体で正社員27名・嘱託2名・パート15名・アルバイト112名)。多業態・多拠点ゆえに職種ごとに成果の形がまったく異なり、「現場の達成率は高いのに会社の利益が出ない」という歪みと、深刻な定着課題を抱えていました。給与アップクラウドで業務を可視化し、KPIをゼロから設計し直した取り組みと、その後の変化を代表に伺いました。
Q会社紹介 ― 多業態・多拠点で広がるグループ企業
N&Kグループは、創業17年目を迎える、ボウリング・カラオケ・アミューズメント・飲食・IT/ECにわたる関連4社7事業を運営するグループ企業です(グループ全体で正社員27名・嘱託2名・パート15名・アルバイト112名)。徳島・青森など、地理的に離れた拠点で多拠点展開を進めています。
Q導入前の課題 ― 「頑張っても報われない」閉塞感と定着問題
多拠点展開が進む一方で、N&Kグループ様は深刻な定着問題を抱えていました。創業当初から共に歩んできたメンバーは現在ゼロ。採用しても、地元回帰や環境変化を理由に離職が続く状況でした。
月次でPL会議を実施してはいたものの、数字の振り返りが行動改善につながらず、現場の達成率が高くても会社全体の利益が伴わないという歪みが生じていました。さらに、給与改定が年1回・一方向で上がるだけの構造だったため、成果を出した社員と出していない社員の処遇が変わらず、「頑張っても報われない」という閉塞感が組織に蔓延していました。
徳島・青森など離れた拠点間ではリアルな接点が極端に少なく、現場で何が起きているかを本部が把握しにくい環境でした。都合の悪い情報が上がってこない体質が定着しており、正当性のある評価の仕組みがなければ不正の温床になりかねない――代表はそんな強い危機感を抱えていました。
Q導入のきっかけ ― 「制度設計より前に、"何を評価するか"が決まっていなかった」
当初は、評価制度を作れば解決すると考えていたといいます。
正直、最初は評価制度を作れば解決すると思っていたんです。でも話を進めていくうちに、制度の設計より前に"何を評価するか"が全然決まっていないことに気づかされました。現場の店長がボウリングやカラオケの売上目標を自分で作って提出するスタイルを7年続けてきたのですが、達成率は良くても会社の利益が出ないということが繰り返されていて。
そこで、業務を可視化し、KPIをゼロから設計し直す必要があると気づいたことが、導入の決め手になりました。
給与アップクラウドを通じて業務を可視化し、KPIをゼロから設計し直す必要があるとわかったことが一番のきっかけです。総支配人クラスは"新規顧客獲得・コスト改善・顧客満足"という3つの軸でKPIを整理し、チーフ以下はPL指標ではなくプロセスKPIに落とし込む、という構造が初めて見えてきました。業務が可視化されたことで、私たちが漠然と感じていた課題の輪郭がはっきりしたという感覚です。
Q導入前の不安 ― 現場の反発と、季節変動への適合
最大の不安は、現場の反発でした。
一番不安だったのは、現場の反発でした。7年間、現場が自分たちで目標を立てる文化を育ててきましたから、それを会社側の設定に変えると"給料を下げるためだ"と受け取られるんじゃないかという恐れがありました。実際、元役員から"会社の売上が上がっても自分の人生は変わらない"という言葉が出たこともあって、評価と報酬が連動しない現状への不満が組織の底に溜まっていることは肌で感じていました。
もう一つは、季節変動の激しい業態に数字評価が馴染むかでした。
5月から11月は低調で、1月から4月が稼ぎ時という波があるため、単純な達成率で評価すると現場が納得しないのではと心配していました。給与アップ研究所はそこも含めて丁寧に設計を整理してくれたので、段階的に導入するソフトランディングの道筋が見えたことで不安が和らいでいきました。
Q使ってみて ― 職種・職位別KPIで、会議の密度が変わった
KGIから要素分解して職種・職位別のKPI構造を整理できたことで、議論の出発点が大きく変わったといいます。
これまでは"何となくこう評価する"という感覚頼りだったのが、総支配人・支配人・チーフマネージャー・一般社員それぞれの役割に合ったKPIの骨格が可視化されたことで、会議の密度が格段に上がりました。
特に印象的だったのは、クリエイティブ事業部の評価設計でした。
品質の定量化が難しいデザインや制作物に対して、"納期遵守率"や"業務改善提案件数"という形で指標を置き換える発想は、これまで思い浮かばなかったものでした。制作担当についても、業務改善提案の件数と内容を記録・評価する仕組みを取り入れたことで、現場から改善アイデアが上がる文化が根付き始めています。
Q導入後の変化 ― 離職率31%→18%、初動報告は24時間以内へ
導入後、組織には具体的な変化が表れています。
まず目に見えて変わったのは、月次PL会議の質です。以前は数字を読み上げて終わりだったのが、KPIと照らした振り返りと改善アクションの議論が生まれるようになりました。
| 指標 | 変化 |
|---|---|
| 年間離職率 | 導入前31% → 18% |
| トラブルの初動報告 | 平均3日以上 → 24時間以内が8割超 |
| 月次PL会議 | 数字の読み上げ → KPIと照らした改善アクションの議論へ |
直近の半年で、各拠点から本部への報告の速度が明らかに上がり、トラブルの初動報告が以前の平均3日以上かかっていたものが24時間以内に収まるケースが8割を超えました。定着面では、評価への納得感が高まったことで年間離職率が導入前の31パーセントから18パーセントへと改善しています。
現場主導で目標を立てながらも会社側の基準ラインとの乖離を可視化する折衷モデルの運用を始めたことで、昇給原資の確保と現場のモチベーション維持を両立するバランスも整い始めています。
Q検討企業へのメッセージ ― 「まずは業務を可視化するところから」
私たちのような多業態・多拠点のアミューズメント事業者は、"全社一律の評価制度"がいかに難しいか身に染みてわかっています。ボウリング・カラオケ・ゲームセンター・クリエイティブ・本部管理と、職種によって成果の形がまったく違うので、一つのモノサシで測ろうとすると必ずどこかに無理が出ます。
給与アップ研究所が良かったのは、その違いを前提として、それぞれの職種に合ったKPIを一緒に考えてくれるところです。業務を可視化し、どこに課題があるかをデータで示してくれるから、感情論ではなく事実から議論を始められる。評価制度に踏み出せずにいる企業の多くは、"何から手をつければいいかわからない"という状態だと思います。まずは自社の業務を可視化するところから始めてみてください。見えていなかったものが見えるだけで、組織は変わり始めます。
Qよくある質問(FAQ)
Q1. 業態や職種がバラバラでも、評価制度は作れますか? A. 作れます。N&Kグループ様も、ボウリング・カラオケ・クリエイティブ・本部管理など職種ごとに成果の形が違うため、全社一律のモノサシでは無理が出ていました。まず業務を棚卸しして可視化し、総支配人は「新規顧客獲得・コスト改善・顧客満足」、チーフ以下はプロセスKPIというように、職種・職位ごとに合ったKPIツリーを設計することで、多業態でも公平に評価できます。
Q2. 「達成率は高いのに利益が出ない」状態を、どう変えられますか? A. 現場が自分で立てた売上目標だけを追うと、達成率と会社の利益がずれることがあります。N&Kグループ様では、KGIから要素分解してKPIを設計し直すことで、現場の行動が会社の利益につながる構造に整理し直しました。数字の読み上げで終わっていた会議も、KPIと照らした改善アクションの議論に変わります。
Q3. デザインや制作のように、品質を数値化しにくい仕事も評価できますか? A. できます。N&Kグループ様のクリエイティブ事業部では、定量化しにくい品質を「納期遵守率」や「業務改善提案件数」といった指標に置き換えて評価しました。成果そのものが測りにくくても、成果につながる行動・プロセスを指標化することで、納得感のある評価が可能になります。
Q4. 現場が長年自分たちで目標を立ててきました。会社設定に変えると反発されませんか? A. N&Kグループ様も最大の不安が現場の反発でした。ポイントは、いきなり切り替えず段階的に導入すること、そして現場主導の目標と会社基準ラインの乖離を「可視化」する折衷モデルから始めることです。事実(データ)を土台に議論できるため、「給料を下げるため」という誤解を避け、ソフトランディングできます。
Q5. 季節変動が大きい業態でも、数字評価は馴染みますか? A. 馴染みます。N&Kグループ様のように繁忙期と閑散期の波が大きい業態では、単純な達成率だけで評価すると納得感が損なわれます。季節変動を前提に設計を整理し、プロセスKPIを組み合わせることで、時期による不公平感を抑えた評価運用ができます。
Qサービス紹介
給与アップ研究所は、4,000社の人事評価制度の構築・運用支援の知見をもとに、自社の業態・職種に合わせて設計する人事評価サービスを提供しています。全社員による業務棚卸しで現場を可視化し、KGIから要素分解して全職種・全職位のKPIツリーを設計。数値目標と行動目標(プロセスKPI)を組み合わせ、日々の記録から評価指標をAIが自動計測する「入力ゼロ」の仕組みと、毎週関与で運用を回し切るEPO(評価運用の外部化)まで――「作って終わり」にせず、感情論ではなく事実から議論できる状態づくりまで伴走します。まずは自社の業務を可視化し、評価制度の課題を棚卸しするところから始めてみてください。
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