「5年目の壁」を壊す|製造業がAIで評価を見える化、若手の離職者半減・応募者2.6倍(ペンニットー株式会社様)

精密部品加工・ふっ素樹脂チューブの製造・販売を手がけるペンニットー株式会社様(従業員約15名)。1977年創業の少数精鋭メーカーが増員フェーズに入るなかで、「頑張ったのに報われない」という社員の声と、入社5年目前後が辞めていく「5年目の壁」に直面していました。過去に制度づくりで一度つまずいた同社が、給与アップクラウドで評価を見える化し、若手の離職者を半減させた取り組みを代表に伺いました。
給与の上がり方が見えた日から、社員の目が変わりました。
Q会社紹介 ― 1977年創業、ふっ素樹脂チューブのニッチメーカー
ペンニットー株式会社は、精密部品加工・ふっ素樹脂チューブの製造・販売を手がける製造業の会社です(従業員約15名前後)。1977年の創業以来、少数精鋭で高品質なふっ素樹脂チューブのオーダーメイド製造を担い、メーカー兼商社という独特のビジネスモデルで事業を展開しています。
Q導入前の課題 ― 「5年目の壁」と、二度の制度づくりの失敗
数年前から増員フェーズへ移行し、新卒採用も始まって組織が拡大するなかで、評価制度の不在が深刻な課題として浮かび上がってきました。
「頑張ったのに報われない」「自分のことを見てもらえていない」という社員の声が上がるようになり、特に入社5年目前後の社員が「どうすれば給与が上がるのか」を説明できない状態が続いていました。この「5年目の壁」は退職リスクに直結しており、人材の定着が組織の最優先課題になっていました。
過去には制度づくりに二度つまずいていました。
- 外部テンプレートで評価ひな型を策定したが、管理職の評価が下がる懸念から実運用に至らなかった。
- 自社で基準設計も試みたが、現場のレベル感と合わず、納得のいく制度を作れなかった。
「プロの知見とスピードが必要」と判断し、外部への依頼を決断しました。
Q導入のきっかけ ― 「業務の実態が見えていなかった」
評価制度を作れなかった根本原因は、業務の実態が見えていなかったことにあったといいます。
当社はふっ素樹脂チューブのオーダーメイド製造という、非常にニッチで専門性の高い製品を扱っています。メーカー兼商社という独特のビジネスモデルのなかで、営業から製造・品質・総務まで、各部署が複雑に連携しながら動いています。そうした業務の実態が見えていなかったことが、評価制度を作れない根本原因でした。金融機関からの紹介があり、セミナーを受講し、興味深い内容だなと思ったのが最初の印象です。
Q導入前の不安 ― 「今度こそ形だけにしたくない」
最大の不安は、評価制度がまた形だけのものになってしまわないかでした。
一番不安だったのは、評価制度が形だけのものになってしまわないか、ということです。以前もひな型を作ったのに運用できなかった経験があるので、今度こそ現場に根付くものにしたいという思いが強くありました。また、マイナス査定を導入するという意思決定は簡単ではなく、就業規則の改定まで行って準備を整えてきた経緯があります。それでも「本当に社員が納得できる基準になるのか」という点は最後まで気になっていました。
加えて、部署によって評価のあり方がまったく異なることも課題でした。7名が働く製造部と、1名しかいない開発部や品質部では、同じモノサシでは測れません。
Q使ってみて ― AIが職種別の評価項目を自動で叩き台に
導入して助かったのは、AIが各部署の業務内容をもとに、職種・職位ごとの評価項目の素案を自動生成してくれたことでした。
営業部であれば新規顧客獲得数や既存顧客の対応品質、製造部であれば納期遵守率や品質不良件数といった、現場の実態に合った指標が提示されました。これまで「指標を何にすべきか」という議論だけで何か月も費やしていたのが、AIが叩き台を出してくれることで、議論の焦点が一気に「この数字で合っているか」という確認作業に変わりました。
評価方式(絶対評価・6段階尺度)についても、AIがシミュレーションでメリット・デメリットを整理したことで、代表2人が納得感を持って意思決定できたといいます。
Q導入後の変化 ― 面談の質が変わり、5年目の離職が半減
最も大きな変化は、社員との面談の質でした。
以前は「頑張っています」という抽象的なやりとりで終わっていた中間面談が、四半期ごとのKPI達成状況をもとにした具体的な対話に変わりました。AIがリアルタイムで評価データを集計・フィードバックしてくれるため、上司も社員も同じ数字を見ながら話せるようになり、評価への不満が激減しました。
課題だった「5年目の壁」にも、明確な変化が表れています。
| 指標 | 導入前 | 導入後 |
|---|---|---|
| 5年目前後の年間離職者数 | 4名 | 2名(半減) |
| 評価面談での目標達成確認率 | 約30% | 約85% |
| 給与テーブル整備状況 | 未整備 | 全職位・等級で整備完了 |
| 新卒採用応募者数(年間) | 3名 | 8名(約2.6倍) |
入社5年目前後の離職者数は、制度導入前の直近2年間と比較して半減しています。給与の上がり方が等級と連動して明示されたことで、若手社員のモチベーションにも変化が生まれています。新卒採用においても、評価制度の存在が入社動機のひとつとして挙げられるケースが出てきました。
Q検討企業へのメッセージ ― 「完璧な制度を最初から作ろうとしないこと」
製造業のような現場仕事は、成果が数字に表れにくいと思われがちです。でも実際には、納期・品質・段取り力など、評価できる要素はたくさんある。ただそれを制度として言語化するのが難しかっただけでした。私たちのように「以前に制度を作ろうとして失敗した」という会社にこそ、使ってみてほしいと思います。
大切なのは、完璧な制度を最初から作ろうとしないことです。四半期ごとに見直せる仕組みがあれば、現場の変化に合わせてアップデートできます。社員が「自分は正当に評価されている」と感じられる組織は、確実に強くなります。その第一歩を踏み出す勇気を、給与アップさんが後押ししてくれました。
Qよくある質問(FAQ)
Q1. 製造業は成果が数字に表れにくいですが、評価できますか? A. できます。ペンニットー様の代表も「製造業は成果が数字に出にくいと思われがちだが、納期・品質・段取り力など評価できる要素はたくさんある」と話しています。製造部なら納期遵守率や品質不良件数といった、現場の実態に合った指標に落とし込むことで、数値化しにくい現場仕事も公平に評価できます。
Q2. 過去にテンプレートや自作で制度づくりに失敗しました。それでも導入できますか? A. そうした企業にこそ向いています。ペンニットー様も、外部テンプレートでは管理職の評価が下がる懸念で運用に至らず、自作では現場のレベル感と合いませんでした。業務の実態を可視化したうえで、AIが職種・職位別の評価項目の素案を提示するため、現場に根付く実践的な制度を作り直せます。
Q3. 「指標を何にすべきか」の議論に時間がかかりそうです。 A. ペンニットー様も、指標の議論だけで何か月も費やしていました。AIが各部署の業務内容から評価項目の叩き台を自動生成するため、議論の焦点が「ゼロから考える」から「この数字で合っているか確認する」へと変わり、設計のスピードが大きく上がります。
Q4. 1名しかいない部署と、複数名の部署を同じように評価できますか? A. できます。ペンニットー様も、7名の製造部と1名の開発部・品質部では評価のあり方が異なることが課題でした。職種・職位ごとに役割に合ったKPIを設計することで、人数の多い・少ないにかかわらず、それぞれの貢献を正しく評価できます。
Q5. 評価制度は、若手の定着や採用にも効果がありますか? A. あります。ペンニットー様では、給与の上がり方を等級と連動させて明示したことで、5年目前後の離職者が半減し、若手のモチベーションが向上しました。新卒採用でも「評価制度があること」が入社動機に挙がるようになり、応募者数も増えています。処遇の根拠を示せることが、定着と採用の両面で武器になります。
Qサービス紹介
給与アップ研究所は、4,000社の人事評価制度の構築・運用支援の知見をもとに、自社の業種・職種に合わせて設計する人事評価サービスを提供しています。業務を可視化し、AIが職種・職位別の評価項目の素案を提示する制度設計、給与テーブル・等級と連動させた報酬設計、四半期ごとに見直せる運用の仕組みまで――日々の記録から評価指標をAIが自動計測する「入力ゼロ」の仕組みと、毎週関与で運用を回し切るEPO(評価運用の外部化)により、「作って終わり」にせず、社員が「正当に評価されている」と感じられる状態づくりまで伴走します。まずは自社の業務を可視化し、評価制度の課題を棚卸しするところから始めてみてください。
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