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「根拠のない数字を、社員に持たせたくなかった」|島で薬局・酒蔵・バスを営む代表が、評価の基準を明文化する(有限会社菊池薬品様)

「根拠のない数字を、社員に持たせたくなかった」|島で薬局・酒蔵・バスを営む代表が、評価の基準を明文化する(有限会社菊池薬品様)

東京から南へ約290km、八丈島。有限会社菊池薬品様は、1972年の設立以来、島で八丈島薬局と大賀郷薬局の2店舗を営んできました。調剤と一般用医薬品の販売に加え、禁煙相談・介護相談・在宅訪問まで手がける「相談型」の地域薬局です。代表取締役の菊池英治様は薬剤師でありながら、創業100年を超える島の焼酎蔵、貸切バスの観光会社にも関わります。社員は薬局に立ち、バスガイドもし、酒蔵にも出向く――一人が一つの仕事、という会社ではありません。これまで代表自身が働きぶりを見て評価してきましたが、その基準は明文化されていませんでした。一人ひとりの努力を、どうすれば公正に評価し、給与に反映できるのか。給与アップ研究所とともに評価の基準づくりに取り組む菊池代表に、その背景を伺いました。

根拠のない数字を、社員に持たせたくなかったんです。

Q御社の事業と、他社にはない特徴を教えてください。

A
「根拠のない数字を、社員に持たせたくなかった」|島で薬局・酒蔵・バスを営む代表が、評価の基準を明文化する(有限会社菊池薬品様)

八丈島で、八丈島薬局と大賀郷薬局という2つの薬局をやっています。処方せんの調剤と一般用医薬品・化粧品の販売、それに禁煙相談や介護相談、在宅の患者さんの訪問まで。島に来られた観光の方のお薬もお受けしています。それぞれの店に店長を置いて、薬剤師が常駐する体制です。

ただ、うちは薬局だけの会社ではないんです。グループで焼酎の酒蔵に関わっていますし、貸切バスの観光会社もやっている。ですから社員も、一人が一つの仕事、というふうにはなっていません。薬局に籍を置いたまま、グループの別の事業を担当している社員が複数います。経理や事務をやりながら、観光のほうでバスガイドにも立つ。酒蔵のほうに出向いている者もいます。所属はうちだけど、仕事は全く違う仕事をやっている。そういう働き方が、島では自然に生まれるんです。

酒蔵は、八丈島に創業100年を超える蔵がありまして、島の文化として長く続いてきた蔵です。次の100年に向けた取り組みに、グループとして関わることになりました。まずは環境を整えるところから始めて、いまは見学に来た方が買って帰ってくださるようになってきています。

Q評価制度を入れようと思われたのは、どうしてですか。

A
「根拠のない数字を、社員に持たせたくなかった」|島で薬局・酒蔵・バスを営む代表が、評価の基準を明文化する(有限会社菊池薬品様)

島は、人と人との距離が近い場所です。お互いに支え合いながら仕事をしてきましたし、その関係はこれからも大事にしたい。そのうえで、一人ひとりの役割や目標、そして評価の基準をはっきりさせたいと思いました。

数字を決めると、社員は身構えると思うんです。達成できなかったらどうなるんだろう、と。でも、基準があいまいなままのほうが、本当はお互いに不安だと思うんですよ。頑張った人がきちんと認められる状態にしたい。それが一番の希望でした。

これまでも日々の働きぶりを見て評価していましたが、評価基準の明文化や、社員と共有できる仕組みづくりが課題でした。面談も、ほとんど私一人でやってきました。小さい会社ですから、顔色を見れば何か悩み事があるのかなというのは分かる。そういうときに個別に声はかけています。ただ、それで全員をきちんとフォローできているかといえば、十分ではありませんでした。せっかく仕組みを入れるのであれば、店長にも評価する側に回ってもらいたい。権限委譲という観点でも、そうしたいと思っていました。

Q評価の形にしづらい、と感じていたのはどんな仕事ですか。

A
「根拠のない数字を、社員に持たせたくなかった」|島で薬局・酒蔵・バスを営む代表が、評価の基準を明文化する(有限会社菊池薬品様)

たとえば、日々の記録のように、やって当たり前とされている仕事です。大事な仕事なのに、当たり前だからこそ評価の形になっていない。そういうものこそ、きちんとウエイトを置きたいと思いました。

同じ「1件」でも、中身によって手間がまったく違う仕事もあります。件数だけで数えると、手間のかかる仕事をしている人が報われない。接客の質のように、大事なのに数字になりにくいものもある。しかも薬局と酒蔵とバスでは見るべき数字が違うのに、それが一つの会社の中に全部ある。誰を何で評価するのかを、一から決めていく必要がありました。

もう一つ難しかったのは、その数字が適正なのかどうかが、私には分からなかったことです。前年に対して何%伸ばすと決めたとして、それが妥当なのかどうか。現状維持だと衰退と考えたほうがいいのかな、とは思っていますけれど、では何%ならいいのか、根拠がなかった。給与の決め方にしても、私がやってきたのは自分たちなりのやり方です。それが世の中と照らしてどうなのかを確かめたかった。根拠のない数字を社員に持たせたくなかったんです。それに、一般の社員に「売上目標」と言ってもピンとこないと思うんですよ。その人の仕事で測れるものに置き換えないと意味がない。

Q給与アップ研究所に決めた理由を教えてください。

A
「根拠のない数字を、社員に持たせたくなかった」|島で薬局・酒蔵・バスを営む代表が、評価の基準を明文化する(有限会社菊池薬品様)

一つは、数字の根拠を出してもらえることでした。どの数字を、どの水準で置けばいいのか。頭の中に指標はあっても、それを評価の形に落とし込む方法が分からなかった。そこにアドバイスをいただけると聞いて、これだと思いました。

もう一つは、私の独断ではない、と言える基準にしたかったということです。第三者に入っていただいて根拠を示してもらったほうが、社員も納得しやすいだろうと思いました。それから、多業種をご存じだということ。私が今までやってきたのは自分たちなりのやり方でしたから、いろいろな業種を見ている方に教えていただいて、自社のものを作っていきたいという考えでした。

評価を給与にどう反映するか――そこが一番の目的でした。評価の基準を明確にして、一人ひとりの努力や成果を給与にきちんと反映する。そのために制度を入れるんです。上がり幅も下がり幅もあらかじめ決めておけば、社員も納得できる。売上が上がったら還元したいという気持ちはずっとありますから、上がる側もきちんと仕組みにしたかった。あとは、1年目はこれでやってみて、2年目に変えることもできると確認できたことが大きかったです。最初から完璧を目指さなくていい。私もやってみないと分からない部分がありましたから、「まずこれでやります」と決められました。

Qこの取り組みで、これから何を期待していますか。

A
「根拠のない数字を、社員に持たせたくなかった」|島で薬局・酒蔵・バスを営む代表が、評価の基準を明文化する(有限会社菊池薬品様)

まずは面談を仕組みにしたいです。今までは定期的にやれていませんでしたから、四半期ごとには最低でもやらなきゃいけない。そのいいきっかけにしたいと思っています。それから、店長に評価する側に回ってもらうこと。権限委譲という観点でも、ぜひそうしたい。酒蔵のほうも、ゆくゆくは任せられる人に引き継いでもらいたい。私が全部見ている状態から、少しずつ変えていきたいんです。

制度をつくりながらずっと考えていたことがあります。「頑張っている人が報われる会社です」――ここは絶対に外せない。社員それぞれが仕事を通して成長を実感できて、認めてもらえて、困ったときに支え合う仲間がいて、この会社で働くことを家族に誇れる。そういう会社にしたいんです。

どの事業にも共通して言えるのは、待ちの姿勢から、自分たちから動く形に変えていきたいということ。来るのを待つのではなく、こちらから働きかける。その行動そのものを、評価の中に入れていきたいと思っています。薬局は、八丈島は人口の増減が少ないので、新しいお客様を増やすというより、いまのお客様との関係を深める取り組みを数字にしていく。経営の判断は、私は粗利で見ています。そこに効いているかどうかが現場からも見えるようになれば、島で拠点が分かれていても、同じものを見て話ができるようになると思っています。

Qこれから導入を検討している企業へ、メッセージをお願いします。

A
「根拠のない数字を、社員に持たせたくなかった」|島で薬局・酒蔵・バスを営む代表が、評価の基準を明文化する(有限会社菊池薬品様)

最初から完璧を目指さなくていい、というのが正直な実感です。1年目は仮で置いて、一周まわしながら微調整していく。項目も職種ごとに後から変えられる。「まずこれでやります」と決め切れる進め方だったので、私も踏み出せました。島で薬局・酒蔵・バスと事業がばらばらでも、誰を何で評価するのかを一から整理できる。基準があいまいなままで不安を抱えているなら、根拠のある物差しを一緒につくるところから始める価値はあると思います。

Qよくある質問(FAQ)

A
「根拠のない数字を、社員に持たせたくなかった」|島で薬局・酒蔵・バスを営む代表が、評価の基準を明文化する(有限会社菊池薬品様)

Q1. 社長が一人で、肌感覚で評価してきました。仕組みに変えられますか?
A. できます。菊池薬品様も、代表自身が日々の働きぶりを見て評価してきたものの、その基準は明文化されていない状態からのスタートでした。各職種の業務を棚卸しして、成果と行動の両面から評価項目と尺度を設計することで、「誰が、何を、どこまでやれば評価されるのか」を社員と共有できる形にします。社長の頭の中にあった基準を、説明できる物差しに変えられます。

Q2. 一人が複数の事業や職種を兼務していて、何で評価すればよいか決まりません。
A. 職種・事業ごとに評価軸を分けて設計できます。菊池薬品様も、薬局・酒蔵・貸切バスと見るべき数字が異なる事業が一つの会社に同居し、社員も複数事業を兼務していました。職種ごとに成果評価項目を3〜5個に絞り、それぞれの実態に合った尺度を決めることで、兼務があっても一人ひとりの働きを公正に評価できる設計にします。

Q3. 目標の数値を、いくつに置けば妥当なのか分かりません。
A. 業種の相場をふまえた水準をご提案します。菊池薬品様でも「前年に対して何%伸ばすのが妥当か、根拠がなかった」ことが論点でした。4,000社の構築・運用支援の知見から、どの数字をどの水準で置くかを第三者として示すことで、社長の独断ではない、社員が納得しやすい基準にできます。根拠のない数字を社員に持たせずに済みます。

Q4. 当たり前とされている仕事や、数字になりにくい仕事はどう評価しますか?
A. 行動の評価を足すことで乗せられます。日々の記録のように「やって当たり前」とされる大事な仕事や、接客の質のように数字になりにくい仕事も、求める行動を言語化して尺度で評価することで、成果数字だけに偏らない評価ができます。同じ「1件」でも手間が違う仕事を、件数だけで測って報われない人が出ないように設計します。

Q5. 評価項目は一度決めたら固定ですか? 自社だけで回せるか不安です。
A. 固定ではありません。菊池薬品様も「1年目は仮で置き、2年目に変えることもできる」という前提で設計を進めています。トライアル期間で目標設定から評価までを一周し、職種・事業ごとに項目を磨き込んでから本格運用へ。入力状況や評価の記録はクラウドに残り、進捗は毎月伴走して共有するので、無理なく運用を続けられる状態づくりまでお手伝いします。

Qサービス紹介

A
「根拠のない数字を、社員に持たせたくなかった」|島で薬局・酒蔵・バスを営む代表が、評価の基準を明文化する(有限会社菊池薬品様)

給与アップ研究所は、4,000社の人事評価制度の構築・運用支援の知見をもとに、自社の業態・職種の実態に合わせて設計する人事評価サービスを提供しています。薬局・酒蔵・観光のように複数事業・多拠点が一つの会社に同居していても、職種ごとに成果評価項目を3〜5個に絞り、業種の相場をふまえた目標水準をご提案。当たり前とされる仕事や数字になりにくい仕事には行動の評価を足し、社長の肌感覚に頼らない「説明できる物差し」へ切り替えます。評価と給与・賞与をつなぐルールづくりから、1年目は仮で置いてトライアルで一周し、職種・事業ごとに磨き込んで本格運用へ――という走りながら直せる進め方で、人事顧問として毎月伴走します。評価の記録はクラウドに残り、職種別・拠点別の振り返りまで。まずは30分、自社の評価制度の現在地を棚卸しするところから始めてみてください。資料のご準備は不要です。

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