勘と経験に頼ってきた昇給を、説明できる評価へ|性質の違う2事業でも仕組みはつくれる(ノバレンズ株式会社様)

不動産仲介と内装デザイン設計・施工という二つの事業を柱に成長するノバレンズ株式会社様(従業員13名前後)。少数精鋭から売上10億円規模を目指すフェーズで、代表の目と経験だけに頼ってきた昇給を「社員に説明できる制度」へ整える必要が高まっていました。性質の異なる2事業をどう同じ土俵で評価し、部門の縦割りをどう崩すか。代表取締役社長の寺島彰吾様に、評価制度づくりの取り組みを伺いました。
感覚だった評価が、数字で説明できるようになりました。
Q会社紹介 ― 不動産仲介と内装デザインの2事業で成長
ノバレンズ株式会社は、不動産仲介と内装デザイン設計・施工という二つの事業を柱に成長を続けてきた会社です(従業員13名前後、代表取締役社長:寺島彰吾)。少数精鋭の体制から着実に事業を拡大し、売上10億円規模を目指すフェーズに差し掛かっています。
Q導入前の課題 ― 感覚の昇給、設計士評価の言語化、部門の縦割り
13名前後の体制から売上10億円規模を目指す段階に入り、これまで代表の目と経験だけに頼ってきた評価・昇給の仕組みを、社員に説明できる形に整える必要性が高まっていました。
特に難しかったのが、内装デザインを担当する設計士の評価でした。
入社時点で図面のスピードやクオリティ、デザイン思考力、3D CGの技術力など個人差が大きく、「何を基準に評価すればいいのか」を自社だけで言語化することができませんでした。また、不動産チームと内装チームがそれぞれ自部門の数字だけを追いかけ、連携が評価に反映されない縦割りの状態も課題として感じていました。
頑張った社員にはきちんと報いたい、そのためにはマイナス評価も含めた緊張感のある制度が必要という思いは以前からありました。ただし、社内だけで設計すると親族である役員候補への配慮など難しい論点も多く、実行に踏み切れずにいました。ツールや管理工数を無闇に増やしたくないという思いも強く、シンプルかつ実効性のある制度を外部の専門家の力を借りて構築することを決意しました。

Q導入のきっかけ ― 「なあなあ」にメスを入れたかった
不動産と内装デザインという、性質の異なる二つの事業を扱っているので、評価の物差しを一つに揃えるのは正直難しいだろうと最初から思っていました。実際、これまでは自分の感覚で昇給を決めていた部分が大きく、特に設計デザインを担当するメンバーについては入社時点のスキル差も大きいので、何を基準にすればいいのか自分でもうまく説明できずにいました。優秀な人にきちんと報いる仕組みを作りたい、逆に言えば、なあなあで済ませてきた部分にきちんとメスを入れたいという思いが強くなり、専門家に相談することにしました。
Q導入前の不安 ― 管理工数の増加と、マイナス評価、親族への配慮
一番気になっていたのは、ツールや制度が増えて、かえって管理の手間が増えてしまわないかということです。以前サラリーマン時代にいろいろなツールがごちゃごちゃに増えて疲弊した経験があったので、できるだけシンプルにしたいという気持ちが強くありました。あとはマイナス評価を入れることについても、頭では必要だと分かっていても、実際に社員に伝えたときにどう受け止められるか、正直不安がなかったわけではありません。経理や総務を担当している役員候補は自分の親族でもあるので、贔屓していると思われないような、周りが納得できる仕組みになるかどうかも気になっていました。
Q使ってみて ― 「連携を評価に組み込む」で、縦割りを崩す
業務の可視化・分析を通じて印象に残ったのは、部門をまたいだ連携を評価項目に組み込むという発想でした。
印象に残っているのは、不動産と内装の連携を評価に組み込むという提案をいただいたときです。これまでは、それぞれのチームが自分の数字だけを追いかけていて、お互いの動きが評価にはまったく関係ありませんでした。コンサルタントの方から、トスした案件の成約率など相手側の数字も自分の評価項目に入れる形にしましょうと、具体的な行動目標まで示していただいたときは、なるほど、こうやって縦割りを崩していくのかと素直に驚きました。数字にしづらいと思っていた設計デザインの仕事についても、業務の切り口を整理してもらったことで、評価できる要素は意外とたくさんあるんだと気づかされました。
QKPIの活用 ― 10段階ランクと、数字+期限付きの行動目標
非営業部門については、業務改善やコスト削減、納期といった切り口で数値化する枠組みを提示していただき、今カウントできる指標から無理なく始められたのが良かったです。評価ランクも10段階でしっかり幅を持たせて設計してもらったので、細かい違いも給与に反映できるようになりました。行動目標についても、書き方のポイントを教えてもらってから、抽象的な目標が具体的な数字と期限付きのものに変わり、面談でのすり合わせがかなりやりやすくなっています。日々の業務を記録するクラウドシステムも活用しながら、目標を立てて終わりにしない仕組みが回り始めています。
Q導入後の変化・メッセージ ― 「なぜその評価か」を説明できるように
一番の変化は、社員に対して「なぜその評価なのか」をきちんと説明できるようになったことです。以前は感覚で伝えていた部分が、行動目標やKPIの数字を見ながら話せるようになり、面談の質が上がったと感じています。マイナス評価も含めて緊張感のある制度にしたことで、優秀なメンバーがより正当に報われる土台ができつつあります。まだ制度を運用し始めたばかりですが、10億円という目標に向けて、今の体制と将来必要になる体制の差もはっきり見えるようになってきました。私たちのように、性質の異なる複数の部門を抱えていて評価の物差しに悩んでいる会社にこそ、一度業務を棚卸しして数字に落とし込んでみることをお勧めしたいです。
Qよくある質問(FAQ)
Q1. 代表の感覚で決めていた昇給を、説明できる評価にできますか?
A. できます。ノバレンズ様も同じ課題からのスタートでした。行動目標とKPIを設計し、評価ランクに幅(同社では10段階)を持たせることで、「なぜその評価・その昇給なのか」を数字を見ながら説明できる状態になります。抽象的だった目標を「具体的な数字+期限」に書き換えることで、面談でのすり合わせもしやすくなります。
Q2. 部門ごとの縦割り(自部門の数字だけ追う状態)を、評価で崩せますか?
A. 崩せます。ノバレンズ様では、不動産チームがトスした案件の成約率など「相手側の数字」を自分の評価項目に組み込むことで、部門連携を評価に反映させました。自部門の成果だけでなく、他部門への貢献を行動目標に落とし込むことで、縦割りを崩す動きを評価で後押しできます。
Q3. 設計・デザインのように、数値化しにくい仕事も評価できますか?
A. できます。ノバレンズ様の内装デザイン(設計士)のように個人差が大きい職種でも、業務を切り口ごとに整理すれば評価できる要素は数多くあります。非営業部門は業務改善・コスト削減・納期といった観点で数値化し、「今カウントできる指標」から無理なく始めるのがポイントです。
Q4. ツールや管理工数が増えて、かえって手間になりませんか?
A. 抑えられます。ノバレンズ様も最大の不安がこれでした。給与アップクラウドは、日々の記録から評価指標をAIが自動で計測する「入力ゼロ」の仕組みを備えています。集計やフィードバック文案の作成もAIが下支えするため、少人数の体制でも、評価のための事務作業に追われずに運用できます。
Q5. マイナス評価や、親族が役員候補という状況でも、不公平になりませんか?
A. なりにくくできます。鍵は、社内の感覚ではなく客観的な基準(行動目標・KPI・段階ランク)を土台にすること、そしてマイナス評価を面談での対話と必ずセットにすることです。外部の専門家が基準を設計することで「贔屓では」という疑念を避け、周囲が納得できる仕組みにできます。
Qサービス紹介
給与アップ研究所は、4,000社の人事評価制度の構築・運用支援の知見をもとに、自社の業態・職種の実態に合わせて設計する人事評価サービスを提供しています。全職種の業務棚卸しで現場を可視化し、不動産営業と内装デザインのように性質の異なる部門も、それぞれに合った評価項目とKPIツリーを設計。他部門への貢献(連携)を行動目標に組み込んで縦割りを崩し、数値化しにくい設計・クリエイティブ職も業務の切り口から評価可能にします。成果目標と行動目標を段階ランクで給与に連動させ、日々の記録から評価指標をAIが自動計測する「入力ゼロ」の仕組みと、集計・フィードバック文案の自動化で評価者の負荷を抑制。面談での対話を通じてマイナス評価も納得感のある運用に――さらに毎週関与で運用を回し切るEPO(評価運用の外部化)まで、「作って終わり」にせず、感覚ではなく事実から議論できる状態づくりまで伴走します。まずは自社の業務を可視化し、評価制度の課題を棚卸しするところから始めてみてください。
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